成海璃子：14歳の“女優魂”将来を保証された天才美少女

　
仲間外れにされないよう自分を偽り、周りに合わせることで、自分を守ろうとする少女たちの、葛藤（かっとう）と成長を描いた青春ドラマ。
　
新進女性作家、真戸香の同名小説を、『トニー滝谷』の市川準監督がみずみずしいタッチで映像化した。主演は「瑠璃の島」や『神童』などで圧倒的な存在感を放つ成海璃子。彼女の携帯メールに励まされる日南子役に、アイドルユニットAKB48の前田敦子。悩み傷つきながらも“本当の自分”を模索する少女たちの姿が共感を誘う。
　

　
学校では仲間外れを恐れて目立たず、家では両親を気遣い良い子を演じる寿梨（成海璃子）は、周りに合わせてしまう自分に違和感を感じていた。小・中学校で同級生だった日南子（前田敦子）は、優等生からクラスで無視される存在に転落。ある出来事を思い出した寿梨は、疎遠になっていた日南子に架空の物語を携帯メールで送り始める。
　

　
ラスト近くのTV電話で２人が会話するシーンはNTTドコモのＣＭのようで、ドコモがテレビ電話のCMに使うAKB48が絡んでいる時点で予測はできましたが、感動的なシーンとしてはとても良かったのに、広告代理店の影が見え隠れする作り方には疑問です。

携帯電話でテレビ電話を日常で使うことなんてこの世代は特に料金に敏感なのに、シナリオで無理やり唐突に幻想的なシ−ンになると感じる方がいると思います。
　
　相手の顔を見て自分の嘘を告白するのは勇気がいります。だからといってテレビ電話はないでしょう・・・２人の心のゆらぎを表現するシーンとしてはよく出来ていたのに・・・あの無理やりな表現が適切だったのか疑問に思います。

「会いたかったよ」と２人が携帯越しに笑顔を見せるシーンは自然に感動を覚えました。「好きな私」、「嫌いな私」、「作っている私」色々な私をひっくるめて「私」なのだと２人が気づく、そして、前を見つめて進んでいく。
　
　
主人公の後姿で終わるラスト。
主題歌シュノーケル「天気予報」もマッチしていて、青春の感動シーンを盛り上げます。
静かな感動を呼ぶ作品だと思います。もう一度観たいですね。

　
◆成海璃子(なるみ・りこ)◆
1992年8月18日生まれ。
8歳の時よりドラマ、CMなどで活動する。
今までの主な出演ドラマは『TRICK』『クニミツの政』。
CMは、三井ホーム、東京ディズニーランドなど。
現在、初主演ドラマ『瑠璃の島』が放送中の他、三ツ矢サイダーのCMに出演中。

出演作『妖怪大戦争』(三池崇史監督)
楳図かずおの恐怖劇場『まだらの少女』(井口昇監督)
2007年4月21日公開初主演映画「神童」
2007年4月28日公開「あしたの私のつくり方」
2007年6月16日公開には「きみにしか聞こえない」
が公開される。