神に近づこうと、天まで届くバベルの塔を建て始めた人間たちは神の怒りを買い、その制裁として言葉をバラバラにされてしまった。そんな旧約聖書の創世記をモチーフに、現代社会におけるコミュニケーションの大切さを問う衝撃作。
メキシコ、モロッコ、日本と3大陸に渡り、悲劇と希望の人間ドラマが壮大に展開される。監督は「アモーレス・ペロス」（’99）、「21グラム」（2003）など、深みのあるドラマを手掛けてきたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。監督のもと、ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司など、世界各国のスターの競演が実現した。
ハリウッド出演は、渡辺謙（４５）らとともに起用された「ＳＡＹＵＲＩ」（１２月公開）に続き２作目。この日、都内で行われたギャガ・コミュニケーションズ０６、０７年ラインアップ発表会で明らかになった。
映画は、人間の愚かさの象徴である「バベルの塔」をモチーフに、米国、モロッコ、メキシコ、日本でそれぞれ起きる事件が絡み合うサスペンス。父娘の関係を中心に描く“日本編”で登場するため、ブラピとの接触はない予定。ほかアカデミー賞女優ケイト・ブランシェット（３６）、ガエル・ガルシア・ベルナル（２６）も出演。役所の撮影は９月末から東京で始まる。
「バベル」役所出演 カンヌ国際映画祭で１２分のスタンディングオベーション
役所広司（５０）と米俳優、ブラッド・ピット（４２）らが共演した第５９回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作「バベル」（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、日本来年公開）の公式上映が２３日夜、映画祭のメーン会場で行われ、約１２分間に及ぶスタンディングオべーションなど絶賛の嵐を受け最高賞パルムドールの有力候補に躍り出た。
エンドロールの終了と同時に、約２５００人の観客は総立ち。１人１人と抱き合って成功を称え合うアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督（４２）と役所ら出演陣に、「ブラボー！」の歓声と、割れんばかりの拍手が送られた。監督が感極まって涙をぬぐう姿に再び歓声がわくなど、拍手の波は３度押し寄せ、約１２分間続いた。
役所の出演作は９７年にパルムドールを受賞した「うなぎ」などに続き、４度目のコンペ参加。「３回も拍手の波が来るなんて貴重な体験。監督が涙ぐんでいるのを見たら、自分もグッときてしまいました」と感無量の面持ちだ。同作で世界デビューした女優、菊地凛子（２５）も「究極の素晴らしさ！」と感激していた。
一夜明けた２４日付の新聞、雑誌でも作品の評価は高い。会場などで配布される米誌「スクリーン」は、記者ら１０人が０〜４の５段階で評価する星取り表では、ペネロペ・クルス（３２）主演の「ヴォルベール」（３．４点）に続いて、平均点で２・９点。コンペ出品作２０本中、１２作品の上映が終わった現時点で第２位。ロイター電は「“Ｂａｂｅｌ” ａ ｔｏｗｅｒｉｎｇ ｍａｓｔｅｒｐｉｅｃｅ（バベルは高い位置にそびえ立つ）」と世界に打電、日本語版でも「大本命」と伝えた。
「バベル」は、東京、モロッコなど４都市にまたがり、文化や言葉、個人の壁を描き出す作品。役所は東京編で娘とのコミュニケーションに悩む父親を演じ「コミュニケーションの壁がテーマになっているこの映画が、世界中の人が集まるカンヌで拍手喝采を浴びるのは運命的」と手応えを感じていた。
カンヌ映画祭、役所広司さん出演の「バベル」は監督賞
南フランスで開かれていた第５９回カンヌ国際映画祭は２８日夜、コンペティション部門の授賞式が行われ、最高賞のパルムドールに、英国のケン・ローチ監督の「ザ・ウインド・ザット・シェークス・ザ・バーレー」が選ばれた。
１９２０年代のアイルランドを舞台に、英国からの独立を目指して義勇軍に参加した兄弟の悲劇を描いた物語。
このほか、日本の俳優、役所広司さん、菊地凜子さんも出演した「バベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督（メキシコ）が、監督賞を獲得した。
映画「バベル」、米興行で健闘 菊地凛子がブラピと共演
週末（２７−２９日）の北米映画興行成績によると、役所広司や新進女優の菊地凛子（２５）が米人気俳優ブラッド・ピットらと共演する「バベル」（アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督）は推定３６万６０００ドル（約４３００万円）を確保し、２３位に食い込んだ。２７日の７館だけの限定公開だったが、カンヌ映画祭（監督賞）受賞作との評判からか、映画ファンが詰め掛けたようだ。
バベルは、モロッコや東京など各地で起こるドラマが交錯しながら展開。一部の米メディアは、聴覚障害の女子高生役を熱演した菊地をアカデミー賞候補と高く評価している。仮に助演女優賞にノミネートされれば、日本人俳優では２００３年度に「ラスト・サムライ」で助演男優賞候補に選ばれた渡辺謙以来の快挙となる。
ブラピが菊地凛子絶賛
俳優ブラッド・ピット（４２）と俳優・役所広司（５０）が共演する米映画「バベル」（来年日本公開）の試写会が５日、米ロサンゼルスで行われた。先行上映の評判が高く、２００７年のアカデミー賞最有力候補の呼び声も高い。
役所は欠席したが、日本からは女優・菊地凛子（２５）が出席。「ＲＩＮＫＯ！」の歓声を浴びた菊地は「こんな大きな映画に出演した実感がわかない」。ブラピは「リンコは素晴らしい。本当に。普通じゃないよ。本当にほめざるをえない」と菊地を絶賛した。
アカデミー賞、菊地凛子さんが助演女優賞候補
米映画芸術科学アカデミーは２３日、第７９回アカデミー賞の候補を発表し、米映画「バベル」に出演した菊地凛子さん（２６）が、助演女優賞にノミネートされた。
日本側の視点から硫黄島の戦いを描き、渡辺謙さんらが出演したクリント・イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」は、作品賞、監督賞などで候補に入った。
菊地さんはブラッド・ピットさんらが出演した「バベル」で、ろうあの女子高校生役を熱演。日本人俳優がアカデミー賞の候補となるのは「ラスト サムライ」に出演した渡辺さん以来３年ぶり。「バベル」は作品賞、監督賞でも候補に入った。
「硫黄島からの手紙」は日本語による映画ながら、作品賞にノミネート。
アカデミー賞の発表は２月２５日（日本時間２６日）、ロサンゼルスで行われる。
「バベル」全編字幕付きで公開
この映画で助演女優賞にノミネートされた菊池凛子さんは、耳の不自由な女子高生の役を演じており、その他約400人の耳の不自由な方々がエキストラで出演しています。
そのこともあって、この映画はろう者の方々の関心も集まっているのですが、外国語のせりふや手話には字幕がつくのに日本語には字幕がつかないため、耳の不自由な方にとってはその部分だけ内容が分からない作品になる恐れがありました。
このため、試写を見たろう者の方々から「日本語のせりふにも字幕を」という声が上がり、インターネット上の署名活動に発展しました。
署名は短期間のうちに約4万人分も集まり、配給会社のギャガコミュニケーションズは、これを受けて、全編字幕付きで配給すると発表しました。
ありがとう！！「バベル」日本語音声、全フィルムに字幕！！
簡単に「日本語にも日本語字幕をつける」と一言で言っても、制作の予算やテープの手配、など多くの問題が山積みで、大きな会社になればなるほど対応は大変だったのではないかと思います。そんな中、柔軟な対応をされた配給元の「ギャガ」さん！素晴らしいです♪
昨今、一部で報道されておりました、当社が配給する映画『バベル』（平成19年4月28日公開）の字幕について、日本語会話部分にも字幕を付けた、全編字幕付きプリントで配給することを決定いたしましたので、お知らせいたします。
映画『バベル』は、本年度アカデミー賞において作曲賞を受賞、また6部門7ノミネートという快挙を成し遂げた今話題の作品です。本作は、人と人とのコミュニケーションをとることの「難しさ」、そして「大切さ」がテーマとなっていることから、本作をより多くの方々に共有していただきたいという願い、また製作者サイドの意向もあり、『バベル』上映予定全劇場において、日本語会話部分にも字幕を付けた全編字幕付きのプリントで配給することといたしました。
なお、『バベル』は3月20日（火）時点で、全国327スクリーンでの上映を予定しております。
「バベル」見て吐き気 速い照明点滅で７人
名古屋市と三重県四日市市の映画館で、菊地凛子さんが出演する映画「バベル」を見た客７人が吐き気など体調不良を訴えていたことが３０日、分かった。
症状は軽く、館内で休んだ後に自力で帰宅。名古屋市の「ミッドランドスクエアシネマ」は速い照明点滅を繰り返すシーンを凝視しないよう呼び掛ける文書を配布している。照明が点滅するのは開始から１時間２０分後、凛子さん演じる高校生がクラブで踊る場面。
