「スキージャンプ・ペア　Road to TORINO 2006」が東京国際映画祭で公開

　
　笑えるＣＧアニメから映画になった「スキージャンプ・ペア　Road to TORINO 2006」が27日、東京国際映画祭で公開され、総監督と監督が初めて公の場で自作を語った。劇場公開は来年初めを予定している。
　
　
　ＣＧアニメのＤＶＤとしては異例の累計４０万枚を超える売れ行きを記録した。各国代表が次々と、本来のジャンプ競技からは想像もできない技を繰り出すアイデアや構成への評価も高く、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞している。ＣＧ界では知らない人がいないほどの大ヒット作だ。
　
　
　映画版は、ＣＧだけで構成したこれまでのＤＶＤ版とは大きく異なり、実写映像とのミックスだ。比率はほぼ７対３で実写が多く、ＤＶＤ版のイメージで見に行くと、印象がずれるかもしれない。しかし、ＣＧオンリーの時代から貫かれている、抑えたお笑いのテイストは健在だ。映画版でもやけにまじめくさったナレーターの語り口が、観る者も笑いを誘う。
　
　
　真島総監督は「フィギュアスケートにペアがあるのだから、スキーのジャンプにもあってよさそうだと考えた。長いジャンプ用スキー板に２人乗ったらどうなるかというアイデアをＣＧにしてみた」と明かした。最初は自主制作ビデオやインターネットで発表していたが、口コミで話題になり、ＤＶＤ発売にこぎ着けたという。
　
　
　映画版はこの珍競技の誕生から、冬季五輪での実施までを振り返るストーリーだ。全体にドキュメンタリータッチで、ＮＨＫのヒット番組「プロジェクトＸ」を少し茶化したかのような仕上がりになっている。真島総監督は「細部へのこだわり、まじめさを追求した」という。「冬季五輪の正式種目入り」を果たし、一つの節目を迎えたのを受け、「今後はまだ分からないが、スキージャンプ・ペア以外にも挑戦していきたい」と、新たな跳躍を目指す気持ちをうかがわせた。
　
　
　
　
　
　株式会社ソニー・ピクチャーズは、携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」用のUMDビデオソフトとして、「スキージャンプ・ペア」と「スキージャンプ・ペア 2」を12月21日に発売する。
　

　
　　「スキージャンプ・ペア」の収録内容は、スキージャンプ・ラージヒル・ペア Torino 2006<完全版>(9ジャンプ)、2007年新春エキシビジョンジャンプ(3ジャンプ)、2007新春飛行テスト<完全版>(8ジャンプ)。2は、FIJワールドカップ 2006-2007(10ジャンプ)、イディオッツ カップ(1ジャンプ)、第2回 新技飛行テスト 2008(8ジャンプ)を収録する。また、いずれのタイトルにも、DVD版と同じ特典映像を収めている。
　

　
　
　2では、元ノルディック複合日本代表の荻原次晴さん、女優の佐田真由美さんがキャスターとして出演する。音声は1が英語と日本語をどちらもステレオで収録。2はステレオの日本語のみとなっている。
　
　
　　「スキージャンプ・ペア」は、1組のスキー板を2人で装着し、ユニークなパフォーマンスでジャンプするCG作品。映像作家の真島理一郎氏の発想から生まれ、世界の映画祭でも数多くの賞を受けている。2006年1月には、同作品のドキュメンタリー映画も公開予定。
　
　
□ スキージャンプ・ペア公式サイト

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