「Opera 9.0」　Ajaxベースの「Opera Widgets」を搭載

　
　Operaは6日に米BitTorrentとの提携を発表しており、Opera 9.0 Technology Preview 2でBitTorrentプロトコルが正式に実装された。「torrent」ファイルをブラウザだけでダウンロードできるようになり、ダウンロード速度の向上と相手サーバーへの負荷軽減を実現できる。
　
　
　Ajaxベースの「Opera Widgets」を搭載、自作も可能
　
　BitTorrent以外の最も大きな特徴は「Opera Widgets」だ。これは、Operaが今回初めて発表した技術となる。「Widgets」とは簡単な機能を持つ小さなアプリケーションを指す一般的な言葉で、Opera WidgetsではAjax技術を使って実現する。
　
　
　Opera Widgetsの特徴は、Operaが起動している最中にしか利用できないものの、Operaブラウザのウィンドウの外（デスクトップ全体）でも利用できることだ。したがって、Operaブラウザで開いている複数のウィンドウをまたがって何らかの操作を行なわせるWidgetsを開発することも可能だ。
　
　
　Opera 9.0 Technology Preview 2にはアナログ時計や電卓などOpera Widgetsのサンプルアプリケーションが添付されているが、Opera Widgetsは自分で開発することもできる。開発に必要なのはHTMLやXMLについての知識、JavaScript、HTML、CSSファイルを作成するためのエディタなどの環境、ZIPファイルを作成するツールだけであり、比較的敷居が低いと言える。
　
　
　OperaはWidgets開発のためのライブラリを公開しており、Opera Web Application License 1.0（OWAL1.0）に同意すれば利用できる。ライブラリには、例えばJavaScriptから「widgets」オブジェクトにアクセスすることで利用できる。それぞれのWidgetには設定やダウンロードしたデータを保存するための領域があり、デスクトップでドラッグするなどOpera Widgetsに特有の動作を容易に実現できるとしている。
　
　
　見たくないFlashコンテンツなどを右クリック操作で非表示設定可能
　
　もう1つの新機能は、見たくないコンテンツを遮断するコンテンツブロック機能だ。この機能はこれまで「urlfilter.ini」ファイルを編集することによって利用できたが、今回大幅に改良され、どのページからでも右クリック操作だけで利用できるようになった。
　
　ページ上で右クリックして表示されるメニューから「Block_content...」を実行すると、コンテンツブロックモードに入る。このモードでは、ページ内にあるコンテンツのうちブロックできるものだけが明るく表示され、それ以外のテキスト部分などはグレーアウト表示になる。ここでブロックしたいコンテンツをクリックすると、Operaがコンテンツをブロックするためのフィルターを作成。以降、同様の画像やFlashコンテンツなどがページ上で表示されないよう設定できる。
　
　
　そのほかの新機能としては、タブの上にマウスカーソルをかざすことによってサムネイル画像を表示できるようになったこと、Operaの基本設定を変更するための「Opera:config」ページのデザインが改善されたこと、サイト別にCookie、プラグイン、スタイルシートの設定を変更できるようになったことなどが挙げられる。
　
　
　Opera 9.0 Technology Preview 2はOpera Labsで公開されたことからもわかるように、あくまでも実験的技術を公開するためのバージョンという位置づけだ。深刻なバグが含まれていることを開発者自身も認めており、インストールには十分な注意が必要だ。特に現在利用しているOperaに決して上書きインストールすることのないよう同社では注意を促している。