F1第12戦 ドイツGP 公式予選、ライコネンが今季初ＰＰ

　
　今季第12戦のF１ドイツGPは、現地時間（以下、現地時間）29日に２日目を迎え、午後２時（日本時間：午後９時）より公式予選が行なわれた。マクラーレン・メルセデスのキミ・ライッコネンが1'14.070で今季初、通算10回目のポールポジションを獲得した。K.ライッコネンは昨年トルコGP以来となるポールポジションで、シュツットガルトが本拠地のメルセデスに大きな喜びをもたらした。
　
　
　ホッケンハイムリンク（１周4.574km）上空は晴れ。気温29℃、路面温度45℃のドライコンディションの下、公式予選がスタート。前戦フランスGPより、公式予選方式に変更が施された。３つに分かれている予選名をQ１（１次予選）、Q２（２次予選）、Q３（最終予選）とし、Q３の時間が20分から15分に短縮された。また、Q１とQ２では、15分間が経過した時点のタイムを基に下位６台が脱落となっていたが、Q３同様に、セッション終了のチェッカーフラッグを受けた時点にコントロールラインを通過していれば、その１周のタイム計測は有効となった。
　
　
心配された天候も回復し、晴天に恵まれたホッケンハイムで2006年F1世界選手権第12戦ドイツGP予選の火ぶたが切って落とされた。
　
　
　気温29℃、路面温度44℃、湿度48％のドライコンディションで始まった15分間のQ1（Qualify1）は、まずウィリアムズとトヨタが早々と動き、ラルフ・シューマッハが1分17秒台のトップタイムをマーク。その他のマシンも続々とコースインするが、開始4分過ぎにスコット・スピード（トロ・ロッソ）が1コーナー出口でバランスを崩し、その先の直線でコンクリートウオールに激突、マシンを大破させるアクシデントで赤旗中断となった。
　
　
　しかし、セッション再開後はルーベンス・バリチェロ（Honda Racing F1）やキミ・ライコネン（マクラーレン）がトップタイムを更新。残り4分にはフェリペ・マッサとミハエル・シューマッハのフェラーリ勢が1分14秒台を記録して1-2態勢を築き、Q1が終了した。
　
　
　フェラーリに続いたのはライコネン、ヤルノ・トゥルーリ（トヨタ）、フェルナンド・アロンソ（ルノー）といった顔ぶれ。一方、ビタントニオ・リウッツィ（トロ・ロッソ）、クリスチャン・アルバース（MF1）、佐藤琢磨（SUPER AGURI）、ティアゴ・モンテイロ（MF1）、山本左近（SUPER AGURI）、スピードの6人がポール争いから脱落していった。
　
　
　　

　フリー走行3回目の終了間際にクラッシュし、新車SA06を壊してしまった左近は旧型車SA05で予選に臨み、新車は決勝に向けて修理に回されている。
　
　
　同じく15分間のQ2は、まずクルサードが1分14秒台のトップタイムを記録、これをジャンカルロ・フィジケラ（ルノー）が更新し、さらにジェンソン・バトン（Honda Racing F1）がフィジケラのタイムを上回る。また、チームメイトのバリチェロもすぐさま2番手につけ、Honda Racing F1勢が1-2態勢。だが、それもつかの間で、マッサとシューマッハのフェラーリ勢がこれを塗り替え、再び1-2となった。シューマッハは1発アタックで1分13秒778を叩き出している。
　
　
　一方、マーク・ウェバー（ウィリアムズ）、クリスチャン・クリエン（レッドブル）、トゥルーリ、ジャック・ビルヌーブ（BMWザウバー）、ニコ・ロズベルグ（ウィリアムズ）、ニック・ハイドフェルド（BMWザウバー）が、ここで姿を消した。
　
　
　Q3に駒を進めたのはシューマッハ、マッサ、バトン、ライコネン、バリチェロ、ラルフ、フィジケラ、クルサード、アロンソ、デ・ラ・ロサの10台。前戦フランスGPで20分から15分に短縮された最終ステージは、残り7分のところで各車、ニュータイヤに履き替えアタックに向い、ライコネンが1分14秒070のスーパーラップでトップに浮上する。
　
　
　さらに残り4分、各車2度目のタイヤ交換を済ませて最後のアタックに入るが、ライコネンのタイムを上回る者は現れず、ライコネンが昨年の第14戦トルコGP以来、今季初のポールポジションを獲得した。通算では10回目。またライコネンは昨年の同グランプリでもポール奪取に成功している。
　
　
　2、3番手はシューマッハとマッサのフェラーリ勢、4番手はHonda Racing F1の一角バトン、5番手はルノーのフィジケラ、6番手はもう1台のHonda Racing F1を駆るバリチェロ、そして7番手にルノーのアロンソという結果となった。8番手以降はトヨタのラルフ、マクラーレンのデ・ラ・ロサ、レッドブルのクルサードとなっている。
　
　
　なお、ラルフはQ3序盤、デ・ラ・ロサとの接触で左フロント部分にダメージを負い、修復のためガレージに収まる場面があったが、トヨタ陣営の迅速な処置により、無事コース復帰を果たす一幕もあった。
　
　
　ポールポジションを獲得したK.ライッコネンと並ぶ最前列には、フェラーリのM.シューマッハが入った。グランプリ初日から好調だったM.シューマッハは、Q２では1'13.778を叩き出し、2004年に自身が記録した1'13.306という予選レコード（V10エンジンで記録）に迫る勢いを見せた。３番手にはチームメイトのフェリペ・マッサがつけている。
　
　
　Hondaのジェンソン・バトンが４番手、ルーベンス・バリチェッロは６番手を獲得。ルノーはジャンカルロ・フィジケラが５番手、ドライバーズランキングでトップのフェルナンド・アロンソは７番手に留まった。
　
　
　トヨタは、午前に行なわれたフリー走行３でエンジンブローに見舞われたヤルノ・トゥルーリがQ３に進めずに13番手でセッションを終えている。ラルフ・シューマッハは、Q３でマクラーレンのペドロ・デ・ラ・ロサと接触しピットに戻ったが、再びコースに復帰し、８番手を獲得した。
　
　
　ニューマシン『SA06』を投入したSUPER AGURI F１チームは、佐藤琢磨がミッドランドのティアゴ・モンテイロ（20番手）を上回り、19番手につけた。山本左近は21番手となった。
　
　
　　明日30日（日）はいよいよ決勝本番を迎える。スタート時刻は日本時間21時（現地時間14時）。ポールポジションのライコネンが久々に気を吐くのか、それともシューマッハが3連勝を飾るのか、はたまたアロンソの逆襲はあるのか？　今年のドイツGPも見応えのあるレースが期待される。
　
　
　F１ドイツGP決勝は、翌日の30日午後２時（日本時間：午後９時）から67周で争われる。ドイツGPは、フェラーリのM.シューマッハ、トヨタのR.シューマッハ、ウィリアムズ・コスワースのニコ・ロズベルグ、BMWザウバーのニック・ハイドフェルドらにとっては母国グランプリとなる。さらに、メルセデスはシュツットガルトが本拠地であり、TMG（トヨタモータースポーツ有限会社）もケルンにファクトリーを置くため、マクラーレン・メルセデス、トヨタにとってもホームグランプリの１つといえる。こうした面々が観衆の声援に応えることができるのか、また、ブリヂストンは“F１グランプリ通算100勝”を達成するのか、注目が集まる。
　
　
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