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November 23, 2006 space
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村上春樹さん新訳「グレート・ギャツビー」

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作家の村上春樹さん(57)が翻訳したアメリカ文学の傑作「グレート・ギャツビー」が今月刊行され、早くも11万部を数えるベストセラーとなっている。
 

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 20世紀前半にスコット・フィッツジェラルドによって書かれた作品を、村上さんは「最も大事な書物」と絶賛する。村上さんは産経新聞の取材にメールで答え、バブルとその後の「失われた10年間」を経験した現代日本人だからこそ、1920年代の米国社会と人々を描いた同書が実感をもって読めるのではないかと語った。
 

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 ■バブルと破綻…そして成熟 今だからこそ共感
 
 小説執筆の傍ら多くの海外小説を翻訳してきた村上さんは、60歳になったら同書を翻訳すると公言してきたが、今回待ちきれずに前倒しにしたという。10日に中央公論新社から単行本と愛蔵版が発売され、数日後には増刷が決定した。
 
 
 村上さんがこの小説に出合ったのは高校時代。作者のフィッツジェラルドに深く心を引かれるようになり、「長い歳月にわたって心を通い合わせ、敬愛し続けてきた」という。本書のあとがきには「どうしても一冊だけにしろと言われたら、僕はやはり迷うことなく『グレート・ギャツビー』を選ぶ」と思いを書いている。
 
 
 村上さんは「(20年代に)米国は未曾有の好景気を満喫し、フィッツジェラルドは若くして名声を満喫していました。(本書は)まさに時代を代表する指標のような作品であったわけです。しかしフィッツジェラルドは明らかに、その喧噪(けんそう)の中に不吉な響きを聞き取っています」と作者と時代を説明。
 
 
 大恐慌を経た不況の30年代にフィッツジェラルドも米国社会も成熟したとしたうえで、「おそらく日本のバブル経済と、その破綻(はたん)と、『失われた十年間』に相当するのではないか。日本社会もやはりそのような段階を通り過ぎることによって、ひとつの成熟を遂げたのではないか。今こそ日本の読者にある種の実感を持って読まれていいのでは」と、意義を述べた。
 
 
 そして、本書は「人が成熟していくことについての物語であり、それに伴う発熱の美しさを、苦しさを描いたもの。若い読者の心に響くはずだし、響いてもらいたい。時代を超えて」とメッセージを寄せた。
 
 
 村上さんは3年前にも「ライ麦畑でつかまえて」のタイトルで知られるサリンジャーの名作を「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(白水社)として翻訳。単行本とペーパーバックで30万部を突破している。中央公論新社の担当編集者、横田朋音さんは「普段は海外小説を読まなくても、村上さんが勧めるなら読んでみようという人は多い。ギャツビーへの突出した村上さんの思いが読者にも伝わったのでは」と、ベストセラーとなった背景を分析している。
 

【用語解説】グレート・ギャツビー

 スコット・フィッツジェラルドが1925年、28歳で発表。金持ちが集う20年代のニューヨーク郊外で、華やかな生活を送るギャツビーが、かつての恋人と再会する情景を鮮やかに描いた。「狂騒の20年代」の栄光と虚無感が交錯し、「文学史に残る傑作」との評価を不動のものにしている。日本でも早くから翻訳され、野崎孝氏訳の新潮文庫版は昭和49年の刊行以来、約108万部のロングセラー。村上春樹さんは、フィッツジェラルドの「夜はやさし」も翻訳予定という。


 
 

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HOMENews Blogs本/Books | November 23, 2006 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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