アップルとビートルズ、りんごの商標で和解合意

　
　ビートルズのレコード会社であるアップル・コープは、緑色のりんごの絵をロゴに使用している。今回、双方は、アップルがりんごのロゴに関するすべての商標権を保有し、その一部をアップル・コープにライセンス供与することで合意した。また、この件に関する訴訟を取り下げることとした。
　
　
　アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者（CEO）は声明で「われわれはビートルズを愛しており、商標をめぐり対立するのはつらかった。今回、前向きに解決できてうれしく思う」と述べた。
　
　
　この和解で、アップルがビートルズの楽曲をiTunesで販売できるようにするための大きな障壁は取り除かれたが、共同声明はビートルズの楽曲のオンライン販売について触れていない。
　
　
　アップル・コープのニール・アスピノール氏は「対立が解決して喜ばしい。アップルの成功を祈るとともに、同社と長期にわたり協力していくことを楽しみにしている」と語った。業界アナリストは、ビートルズの楽曲のオンライン販売についてはすでに作業が進行しているとみている。
　
　
　５日の和解合意での金銭的条件は明らかになっていないが、パイパー・ジャフレーはアップルがビートルズに5000万−１億ドルを支払ったとみている。
　
　
　りんごの商標に関しては、アップルとアップル・コープは1991年、100日間の法廷闘争の末、「アップル・コープは音楽の制作・販売に、アップル（当時はアップル・コンピュータ）はコンピューターとソフトウエアの販売に、それぞれ使用できる」との内容で合意し、アップルがアップル・コープに2650万ドル以上を支払っている。