アキレス「瞬足」速い子はより速く、遅い子には夢を

　
　「速い子はより速く、遅い子には夢を」がテーマ
　
　足の速い子というのは何を履いても速い。しかし、「走るのは好きだけどうまく走れなくて、恥ずかしいしから運動会が嫌だ」と思っている子供達に走る楽しさを発見してもらいたかった。。。最近の子供は体力が低下している。7割くらいの子が偏平足で足の指が浮いていて、昔よりも走るのが苦手になっている。だからこそ「もしかしてこれを履いたら速く走れるかも」と希望を持ってもらえる靴を作りたかった。その熱い情熱が初年度24万足、それから70万足、158万足、300万足、350万足、そして450万足と売れていった。
　

　
　開発に際してはコンセプトの絞り込んだ。このカテゴリーの靴というのは通学履きがメインだが、通学履きといいながらも男子は、体育の授業やサッカー、家に帰ってから自転車を乗り回すときも同じ靴を履いている。生活シーンをすべて一足で賄う。そんな中で、あえて一つのコンセプトにこだわってみようと考えて開発したのが「運動会で速く走る」だった。
　

　外反母趾・扁平足を予防する靴の３つの商品設計テクノロジー
　
　外反母趾
　足の成長に合わせ、靴のサイズごとに親指、小指の部分の角度を設定し、つま先部にゆとりを持たせました。日本人に合ったラスト形状が足の自然な動きをサポートし、外反母趾を予防する。
　
　屈曲性
　足と靴の曲がる位置が合わないと足の成長に影響を与えます。足の健全育成のためには、靴の屈曲性が必要。優れた靴の屈曲性が、土踏まず（アーチ）の形成、扁平足の予防をサポートします。
　
　ヒール差設計
　足の成長に合わせてヒール差（踏みつけ部と踵部の差）やつま先上がりの角度をサイズ別に設定。歩行時の重心移動を容易にし、また、つまずきやすさを減少。安定した歩行や衝撃緩和をサポートします。
　
　ねじれ防止
　土踏まず部（アーチ）に硬質のTPE（サーモプラスティックエラストマー）を装着し、着地時の前後・左右のブレを防止し、安定した歩行やスムーズな運動をサポートします。

　
　左回りのカーブに特化した靴
　
　校庭で速く走るためのキーポイント。それは左カーブ。校庭の広さの関係からほとんど直線がない校庭も多く極端な話をすると、常に左に回っている状態で走っている。だったら、左カーブに特化した靴を作ろう。それも、オリンピックや世界選手権などのトラック競技は左回りが多く左回りに特化した靴を。こうして瞬足のコンセプトが生まれた。
　
　直線ではスパイクがフラットになる仕組み
　
　カーブを曲がることに特化しすぎて、直線は大丈夫なのか。左足の外側と右足の内側に付いているスパイクは、直線では 10キロの重さでフラットになり、カーブを曲がるときに体を倒すと、スパイクがしっかりとグリップしてくれる仕組みになってる。つま先にはスタートダッシュの手助けをするスパイクが付いている。デザイナーは、カーブを速く走るために追求した結果生まれる機能美を意識するようにしている。
　
　デザインや製造過程で苦労
　
　デザインの現場でも、安易にパーツの大きさを共通化したら、アシンメトリー（左右非対称）の良さが出せない。。全体のデザインとのバランスもあるし、ソールの意匠自体にものすごくこだわりを持っている。それを変えること自体、デザインを変えるくらいの意識があった。
　
　そして製造過程では、靴というのは左右対称が常識。人間の体は左右対称だから、靴に限らず身に着けるものは左右対称が原則のように認識されている。しかし、この靴はなぜ左右対称ではないのか？それが何で違うのか？という疑問があった。日本の運動会では、左回りのトラックをとにかく速く走るために必要な機能だと説明した。
　


　
　
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