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December 21, 2004 space
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米Sun、無償の新OS「Solaris 10」を05年1月リリース

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 米Sun Microsystemsが、新OS「Solaris 10 Operating System(OS)」のリリース計画や関連サービスなど発表した。商業利用でも無料で利用可能とし、サポートなどの有料サービスを別途用意する。SPARC、x86、AMD64、EM64T向けのSolaris 10 OSは、2005年1月31日より無償ダウンロード提供を開始する。

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新OSは600種類以上の新機能を導入した「最も進んだUNIX OS」(Sun社)という。特定のハードウエア・ベンダーに依存せず、米Dell、富士通、富士通と独Siemensの合弁子会社Fujitsu Siemens Computers、米IBM、米Hewlett-Packardなどが提供する250種類以上のプラットフォームで動作する。

「最新鋭のデータセンターの負荷に耐えるよう設計しており、当社がこれまでリリースしたOSのなかで最も速度が速い。Webサーバーの処理能力を比べると、SPARCおよびx86の両環境でSolaris 9より40%以上高速だった。また、データセンターの稼働率が、以前の20%から80%以上に向上する」(同社)

 新版は「Linux Application Environment」(開発コード名は「Project Janus」)と呼ぶ機能により、Linuxアプリケーションをバイナリ・コードのまま未変更で実行することが可能になった。Linuxコードをほかのプラットフォーム向けに内部的に加工するLinuxエミュレーションと異なり、ネイティブ実行できる。「これまでSolaris OSで利用できなかったLinux対応の社内開発アプリケーションやISVのアプリケーションを活用できるようになる」(同社)

新たに128ビット・ファイル・システム(FS)「ZFS」を採用したことで、現在の64ビットFSに比べ160億倍の容量を提供できる。さらに、問題を分析および復旧する診断ツール「DTrace」、8000個以上のパーティションを設定可能な「Solaris Containers」機能、自己修復機能「Predictive Self Healing」なども備える。

旧OSとの互換性も維持しており、7年前にリリースしたSolaris 2.6用のコードも実行可能。

同社は、Solaris 10 OS自体は無償提供し、サポート・サービスなどで料金を徴収する。商業利用の場合でも、セキュリティ修正やアップデータのダウンロードを含め、ユーザー登録すれば無償利用が可能。サポート/マイグレーション/教育などのサービスは有料となる。同社は、以下の3種類のサービスを用意する。

・Basic Service:
 すべてのSolaris 10 OS用アップデート/アップグレード/バグ修正、90日間の導入/設定サポート、オンライン・サポートが利用可能。1プロセサ当たり年間120ドル

・Standard Service:
 Basic Serviceのサービスに加え、週5日/12時間のサポート、Web学習コース1講座、オプションのトレーニング・コースが利用可能。1プロセサ当たり年間240ドル

・Premium Service:
 Standard Serviceのサービスに加え、週5日/12時間のサポート、その他技術/教育サービスが利用可能。1プロセサ当たり年間360ドル

「ユーザーは、商業利用でもSolaris 10 OSを無料で利用できる。(有料の)サービスを組み合わせても、代表的なLinuxディストリビューションに比べ、経費を最大40%減らせる」


米Sun Microsystemsは、米国にて開催されているLinux WorldにおいてSolaris 10のプレビューを公開した。Solarisは同社のSparcシステムやx86/AMD 64システム上で稼働するUNIXプラットフォームのOS。

Project Janus
Soralis 10では、Linuxとのバイナリコンパチビリティが図られる。これは"Project Janus"のコードネームで呼ばれ、x86/AMD 64システムの上で稼働するLinuxとSolaris 10でソースコードからコンパイルし直すことなく、同じアプリケーションを動かすことができるものだ。

同社ではProject Janusを利用して、Adobe Acrobat Reader・Oracle 9.2.i・SAS・BEA WebLogicといったアプリケーションを動かしており、Project Janusは他のエミュレータソリューションと異なり、アプリケーションをネイティブに稼働させることによって、高いパフォーマンスを得ることができるという。

Sunは、AMDのx86/AMD 64プロセッサであるOpteronを搭載したワークステーションやサーバをリリースするほか、企業ユーザを対象にLinuxをベースに開発されたJava Desktop Systemを安価に提供しており、Project Janusにより、これらとSolarisシステムのインタオペラビリティを高めることができる。Solarisの持つスケーラビリティやセキュリティポリシーを生かしながら、追加のハードウェアなどを購入することもなく、Linuxアプリケーションを利用できることも利点となる。

N1 Grid Containers
N1 Grid Containersは、企業内での計算リソースの配分に対する同社の解答のひとつだ。Solaris 10では、"Container"と呼ばれる実行環境を1インスタンスのSolaris上で最大4,000インスタンス稼働させることができる。ユーザごと・部門ごとに専用のシステムを持っていた従来の環境に比べて、タスクごとに必要とされる計算リソースを柔軟に割り当てることが可能となる。

Container間で環境が独立することにより、1つのContainerで起きたエラーが他のContainerに影響を及ぼすこともなく、データも隔離されるため、高いセキュリティも実現される。それぞれのインスタンスはIPアドレス・メモリースペース・ホストネーム・ルートパスワードなどを個別に持っている。セキュリティパッチなどのアップデートをすべてのインスタンスに対して同時に提供することができるなど管理の一本化も利点となる。

DTrace
DTraceは、アプリケーションのパフォーマンスチューニングなどを行うためのダイナミックトレースフレームワーク。各プロセスの消費するCPUやメモリ、I/Oリソースを分析してユーザに統計情報を提示することができる。これにより管理者がシステムのパフォーマンスストールの原因を的確かつ迅速に知ることができ、トラブルの素早い解決が可能となるという。

他のプラットフォームでは、AIXTrace・Linux Trace Toolkit・Microsoft Event Tracingなどが提供されているが、Sunは、テスト環境だけでなく運用環境でも安全に使用することができ、チューニングの結果をリアルタイムに反映させることができるなど、DTraceがこれらより高機能であるとする。

Secure by Default
セキュリティ面にも配慮がなされており、特に設定を行わずに運用した場合でも一定レベル以上のセキュリティが実現されるという。また、UNIXが伝統的に持つスーパーユーザ(root)を廃することで、システムに侵入された際にも被害を最小限に抑えることが目指されている。

Solaris 10の機能を今すぐに
Solaris 10では新しいファイルシステム・ボリュームマネージャの"Solaris Dynamic File System"など様々な新機能が提供される。これらの機能は無料の"Software Express Program for Solaris"プログラムに参加することで、正式リリースを待つことなく利用することも可能。

同社では、Sparc/AMD 64/x86の全プラットフォームを1ソースコードで管理することによる互換性とメンテナンスの高さ、エンタープライズ市場での豊富な経験を元にした優れたサポート体制などをアピール、これらをAIXやLinuxなど競合に対する利点としてユーザの獲得を狙う。

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