いい女！？イーオン・フラックス：AEON FLUX

　
　原作となっているのは、「アニマトリックス」('03)の一編を手掛けたピーター・チョンによるアニメで、「ガールファイト」('00)で注目を浴びたカリン・クサマ監督が日本的なエッセンスを織りまぜ実写映画化した話題作だ。
　

　
　「モンスター」('03)でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、演技派女優としてトップスターのひとりに成長したシャーリーズ・セロンが、本格的なSFアクションに挑戦。人類の99％が死滅した近未来を舞台に、セロンが抑圧された人々のために戦う戦士に扮し、元バレエダンサーならではのしなやかな身のこなしで華麗なアクションを披露。
　
　
　カリン・クサマ監督は、日本人の父親を持つ日系女性。それだけに、作中では、未来都市の中に咲く桜や、番傘、警備兵の戦国時代の甲冑のような服装など、随所に現れる日本的テイストは、自らのルーツを反映させているかのよう。また、“ジロー”や“イナリ”といったキャラクターの名前もどこか日本的なのも興味深い。
　
　
　シャーリーズの脇を固める俳優陣にも注目。反政府組織の司令塔に、彼女の前作「スタンドアップ」('05)でも共演したフランシス・マクドーマンド、同じく組織の戦士を演じるのがソフィー・オコネド。マクドーマンドは今年のアカデミー賞で、オコネドは昨年のアカデミー賞で共に助演女優賞候補になっている(マクドーマンドは以前に受賞歴あり)。
　
　
■ イーオン・フラックス：AEON FLUX