日立60ｃｍの「ビッグドラム」洗濯乾燥機

　
　新しいしかも大きな60ｃｍもの大型ドラムを回転させるために、日立グループの自動車機器部門と協力して、洗濯槽の振動を抑えるサスペンション（懸架装置）を新規に開発したそうです。従来のサスペンションは一定の硬さで振動を抑えていたが、新開発品は振動が大きいときは硬く、小さいときは柔らかく受け止めるよう工夫した。サスペンションの内部を満たすオイルの上下動を、オイルが通る穴の開閉で制御するというものだ。
　

　
　ドラム内の洗濯物が偏ったときに、反対側へ液体を集めてバランスをとる流体バランサーを改良した。従来は1重の円形のバランサーだったが、これを同心円状に5つに区切って5重にすることで、アンバランスの反対側により多くの流体が集まるようにした。

　
　従来は1基搭載していた振動センサを新製品では2基搭載した。従来はドラムの奥側に搭載していたが、これでは上下運動とすりこぎ運動の区別がつかなかった。手前側にもセンサを搭載することで、より正確に振動の大きさや方向の検出ができるようにした。
　

　
　こうした工夫により、運転時の騒音を洗濯時で29dB、脱水時で38dB、乾燥時で41dBに抑えた。洗濯・脱水容量は9kg、乾燥容量は7kgである。9kgの衣類の洗濯時間は49分、7kgの衣類の乾燥時間は165分程度という。価格はオープンだが、実売想定価格は25万円前後。日立は、このドラム式とビートウォッシュ式を合わせ、洗濯乾燥機の市場シェア20％の獲得を目指している。
　

　
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