フェリペ・マッサ 驚異的回復 来週にも退院の可能性

　
　マッサの容態は回復傾向
　
　ハンガリーＧＰ予選で負傷したフェリペ・マッサは、今もブダペストの病院で療養している。彼は脳をストレスから守るために昏睡状態に置かれているが、時々手足を動かしていたそうだ。月曜日の午前には妻のラファエラを含めたマッサの家族が病院を訪れた。
　
土曜日に頭部の手術を受けたマッサは日曜日の午前にＣＴスキャンを撮った後に昏睡状態に置かれ、火曜日の午前まで眠らされている状態が続く。それでも手足を動かしていたマッサについて、ＡＥＫ病院のボスカイ医師は次のように語った。

「非常にポジティブな兆候だ。彼は徐々に意識を取り戻しており、盛んにコミュニケーションをとることが出来る状態だ。彼は話しかけられた際に反応を示している。緩やかな回復が始まったと楽観的に受け取っている」
　

　
　マッサ　目を覚まし医師らと会話
　
　頭蓋骨骨折の重傷を負ったマッサは、手術の後に人口的に脳のストレス軽減を目的に火曜日の午前まで昏睡状態に置かれていたフェリペ・マッサは、回復が早かったため予定よりも早く月曜日の午前に目を覚ました。呼びかけに対して手足を動かす等の反応を見せた。
　
「私の予想では、彼は歩いて退院することができるだろう」と、彼の担当医はハンガリーのＭ１テレビに語った。
　
「この２４時間でフェリペ・マッサの容態は大幅な変化を見せた」と、マッサの担当医は語った。「彼の容態は安定している。ＣＴスキャンを行った時も彼の容態が改善しているのが確認できた。鎮静剤の使用を止め、その後フェリペ・マッサは接触が可能となった」

「よって、午後に人工呼吸を止めた。彼は眠っているが、私たちの質問に対して正確に答えており、自発的に手足を動かすことが出来る。今は熱もなく、外傷から排液チューブを取り外した。彼の容態が更に改善されることが予想される。夜間はこれ以上の治療介入は行わない予定だ」

一方、ブラジルＧＰのチーフメディカルオフィサーを務めるディノ・アルトマン氏は記者会見で次のように語った。「彼は自分に何が起きたのかを知りたいと話しており、いくつか聞きたいことがあるようだ。家族はフェリペが受けている治療に非常に満足しており、今のところ転院の予定はない」
　

　
　フェリペ・マッサ 来週にも退院の可能性
　
「彼の回復がこのペースで続けば、１０日以内に退院できるはずだ。彼は徐々に意識がはっきりしており、家族や友人たちと話をしている」しかし、この担当医は彼が健康を証明するには時間がかかると考えている。「彼は回復しているが、完治したわけではなくまだ危険性が残されていることを強調したい。もちろん、この危険性は日に日に低くなっているがね」
　

　
　ＦＩＡ　破片関連事故の報告書を作成
　
　ＦＩＡは、この数週間にヘンリー・サーティースとフェリペ・マッサに起きた破片が関係する事故について、報告書の作成を安全委員会に依頼した。
　
元Ｆ１チャンピオンのジョン・サーティースの息子であるヘンリーは、７月１９日にブランズハッチで行われたＦ２のレース中にアクシデントにより外れたタイヤが頭部を直撃して命を落とした。マッサは、ハンガリーＧＰ予選でトラック上の破片がヘルメットを直撃して頭蓋骨骨折の重傷を負い、現在は容態が安定しているものの左目の負傷が心配されている。

ＦＩＡは今回の事故について以下のような声明文を発表した。
「ＦＩＡ代表のマックス・モズレーは、ＦＩＡフォーミュラワン世界選手権とＦＩＡフォーミュラツー選手権で起きた最近の破片関連の事故について報告書を作成するようＦＩＡ安全委員会に依頼した。モータースポーツ全域における医学と技術代表者から構成されるＦＩＡ安全委員会は、報告書を提出し世界モータースポーツ協議会に提言する予定だ」

「調査結果は、フェリペ・マッサが使用していたヘルメットが怪我を制限するにあたって重要な役割を果たしたことを示唆している。ＦＩＡとＦＩＡ協会が８年をかけて開発したＦＩＡ８８６０ヘルメットは、全ての衝突部分における保護の強化をもたらしている」