A9.com 正式サービス開始

　このA9.comは、2003年にAmazon.comがカリフォルニア州パロアルトに設立した子会社で、Yahoo!のチーフサイエンティストを務めた経歴を持つアルゴリズムの専門家Udi Manber氏がEコマース・サイトをサポートする検索サービスを開発していたものです。
　
　「検索結果を効率的に利用できるサービスの提供」がA9の狙いとのことで、正式サービスでは、Web検索(Google)、画像検索(Google)、書籍のテキスト検索(Amazon.comの「Search Inside the Books」)、映画情報検索(Internet Movie Database)、辞典・辞書検索(GuruNet.com)を同時に利用できようになっています。

　Amazonの売りである、コラムなども検索結果に応じて表示されるので、利用者は異なったタイプの検索結果を一つの画面内で見比べながら、関連する情報を収集できため、単なる価格の比較検索以上の値用価値をA9では得ることができるようになりそうです。

　あわせて、最近流行りのIE組み込みのツールバー「A9 Toolbar」も提供されて、直接A9のサービスにアクセスできるようになっています。

　A9の機能の概略
　ユーザーの設定や検索履歴を自動的に保存する機能があり、操作コラムに配置されているHistoryボタンを押すと、過去に検索したキーワードや訪れたWebサイトの一覧が表示される。

　また、特に重要なWebサイトを記録しておくために、ドラッグ&ドロップでリストを作成できるブックマーク機能やサイトに関するメモを残しておけるDiary機能などを備えている。個人アカウントでA9にログインすると、これらの情報が呼び出されるため、インターネットに接続している全てのパソコンで同じように自分の検索環境を利用できる。

　A9.comのビジネスモデルについて、多くのアナリストが、他のEコマースサイトにサービス技術をライセンス提供する可能性を指摘している。しかし、現時点でA9はAmazon.comと密接に結びついたサービスとなっており、フルサービスを利用するにはAmazon.comのアカウントを使ってログインする必要がある。

＜＜UPDATE：２００４０９２２＞＞
海外のニュースサイトに、AmazonがA9利用者に割引サービスを開始とありました。
この考えは、ユーザーに明確なインセンティブを与える顧客満足度を向上させ、しかも確実に顧客をメンバーとして獲得できる訳ですから、意味のないユーザーのアクセスを競うポータル時代に別れを告げる意味でも、重要な戦略です。アフェリエイトで誘引するよりも効果もあり、費用も少ないのもメリットでしょうか。

Amazon、A9登録ユーザーに割引提供
Amazon.com傘下の検索サイト、A9のユーザーは、Amazonでのショッピング時に割引が適用されることが明らかになった。（ロイター）

　オンライン小売りの米Amazon.comが新しいWeb検索サービス「A9」の登録ユーザー向けに、1.57％の割引を提供している。A9の利用促進とAmazonでのショッピングを促すのが狙い。同社サイトに9月17日、お知らせが掲載された。

　サイトのお知らせの中でAmazonは、A9のWeb検索広告からの収益が今回の割引を相殺する一助になると説明。これはパイを2人で分けるのと同じことで、Amazon流の「パイの共有」だとしている。

　先日デビューしたA9は、カリフォルニア州パロアルトに本拠を置く同名のAmazon検索部門のプロジェクト。A9の立ち上げ後、Amazonが自社サイトの販売促進にどうやってこのサービスを利用するのかと首をかしげるアナリストや業界観測筋も多かった。

　割引プログラムは16日午後に開始された。

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September 16, 2004 Amazon.com 検索「A9」採用