携帯電話機を「iPod」のように〜

　
　Gracenote Media Manager は，主に2つの部分から成る。携帯電話機に組み込む楽曲管理ソフトウエアを開発するためのC言語のSDK（software developers kit）と，米Microsoft Corp.の「Windows」で動作する音楽ジュークボックス・ソフトウエアである（ユーザー・インタフェースはカスタマイズ可能）。
　
　
　このSDKで作成した音楽再生ソフトウエアを携帯電話機に組み込むと，プレイリストを作成したり，パソコン用ジュークボックス・ソフトウエアと連携したりできるようになる。例えば，プレイリストや楽曲データをパソコン側から携帯電話機にダウンロードするといった連携が可能だ。
　
　
　Gracenote社は既に，携帯型音楽プレーヤやカー・オーディオ機器に向けたプレイリスト作成ソフトウエア「Gracenote Playlist」を2004年1月に発表している。
　
　
　今回のGracenote Media Managerのプレイリスト機能は，それを携帯電話機向けに改良したものといえる。Gracenote Media Managerは「sync」と呼ばれているコンテンツの同期機能も備えている。パソコン内に保存してある楽曲データと携帯電話機内にある楽曲データの内容を，ユーザーが設定したルールに基づいてやりとりして一致させる機能だ。
　
　
　こうした楽曲管理システムを前提とする音楽配信サービスとしては，Appleの「iTunes」やMicrosoft社の「MSN Music」などがある。Apple社は米Motorola, Inc.との間でiTunesに関する提携をしている。
　
　
　このため，まずiTunesブランドを使った楽曲をパソコンにダウンロードした後，パソコンからMotorola社の携帯電話機向けに転送するといった音楽配信サービスが，近く登場するとみられている。
　
　
　これに対してGracenote Media Managerを使うと，携帯電話事業者が独自の音楽配信サービスを立ち上げるときのソフトウエア開発が容易になるとして，Gracenote社は携帯電話事業者や携帯電話機メーカーに売り込む。なおGracenote Media Managerは既に出荷可能だが，日本語版は2005年1月に公開する予定という。
　
　
　さて、このような仕組みが提案されて、音楽を携帯電話で取扱う環境が整いつつありますが、実際にはiPodは大容量で簡単に利用できるのがメリットですが、最近KDDI/auが始めた着うたフルのようにダウンロード系音楽コンテンツの利用は、欲しいときに購入できるメリットが一番です。

　双方が良いところを補完しあう関係で、ビジネスが成り立つと思っていますが、携帯電話単体でiPodのような利用ができるまでには、まだまだ時間と技術革新が必要ではないでしょうか。。

□ Gracenote