ミシュラン、06年でF1撤退

　

　2006年F1レギュレーションについて
ミシュランは2006年F1レギュレーションの後退に困惑
FIAが主張してきたコスト削減の方針に矛盾
http://www.michelin.co.jp/news/racing/p1578.htm

2005年10月26日、FIAの世界モータースポーツ評議会は、2006年のF1におけるタイヤの使用法について新しいルールを採択しました。それはレース中のタイヤ交換の復活と、各チームに割り当てられるタイヤ本数の増加です。このルールは2006年からただちに実施されます。
　
事前の告知がないこの急な変更は、
　1）FIA会長が掲げていたコスト削減の目標に矛盾します。
　2）FIAがもっぱらコスト削減を目的に導入した2005年レギュレーションより後退しています。
　
　この結果、新しいルールによりタイヤの開発、生産、輸送のコストはただちに15％増加します。2005年のソリューションは、新しい2006年レギュレーション下では全く使えないからです。この決定は、製品の技術やタイヤがどんなものかを理解しないまま下されたことがわかります。
　
　タイヤの摩耗とグリップは、特定の距離で最大限のパフォーマンスを発揮するように計算されています。350km走るために設計された2005年のタイヤから、100km（あるいはそれ以下）で交換していい2006年のタイヤに切り換えるには、タイヤメーカーは完全に新世代のタイヤを設計しなくてはならず、コスト高になります。
　
　ミシュランは350km走行可能なタイヤを設計し、パートナーに年間計18勝をもたらしました。その2005年の研究成果を無に帰するこの決定の裏にどんな意味があるのか、この数週間にいろいろなところで書かれ言われている通り、私たちも疑問に思います。
　
　ですからミシュランは、2006年F1レギュレーションに隠されたFIAの意図に疑問を呈します。
　
　今回の出来事にも、F1における意思決定の一貫性のなさと、透明性の欠如という問題がはっきりと表れています。
　
　この問題については、ミシュランのパートナーチームが可能なかぎりの努力をしてくれたことに感謝します。残念ながら徒労に終わったとはいえ、新しいレギュレーションが過去に逆戻りすることに、最後まで抵抗してくれました。

　
　ミシュランは今季、10チーム中7チームにタイヤを供給し、19戦中18戦を制した。しかし、優勝を唯一逃した6月の米国グランプリでは、タイヤ問題で、7チームすべてが出走を事実上ボイコットする異常事態が生じた。