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August 27, 2007 space
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スノーボールアース(ミランコビッチ理論) 氷河期サイクル 公転軌道変化

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地球でほぼ10万年周期で起きる氷期と間氷期のサイクルが、地球の公転軌道の変化などで生じる日射量の増減に連動して起きていることを、国立極地研究所や東北大などの研究チームが突き止めた。今後の気候変動を予測するのに役立ちそうだ。23日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。
 
 極地研の川村賢二助教らは、90〜96年に南緯77度の南極のドームふじ基地で、深さ2503メートル分の氷床コアを採取、氷の中に残る過去約36万年分の気泡(空気)を分析、当時の雪の温度と二酸化炭素(CO2)濃度の変動を推定した。
 
一方、他の惑星の引力の影響で、数万年単位で変化する太陽からの距離や地球の地軸の傾きから、北半球の日射量の変動を割り出した。北半球の日射量が増大する時期に南極の気温とCO2濃度が上昇するなど、日射量変動とコア分析で推定した雪温やCO2濃度の変動がよく一致した。
 
この結果は、氷期と間氷期が、地球の公転の変化などによる北半球の夏の日射量の変動をきっかけにして起きるとした「スノーボールアース(ミランコビッチ理論)」を具体的データで裏付けたことになる。
 

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 ミランコビッチ説
 
地球には過去に何度も氷河期とよばれる気温の低い時期がありました。7億年ほどまでの氷河期は地球のすべての表面が氷に覆われた「全球凍結」という超氷河期が頻繁にあったこともわかっています。このような地球を「スノーボール・アース」といいます。
 
約6億年前のカンブリア紀直前にスノーボールを脱した地球はその後も何度かの氷河期を経験しましたが、全球凍結はおこっていません。この原因は太陽の進化によって放射される熱エネルギーの総量が増加したためと考えることができます。
 
顕生代(カンブリア紀以降現在まで)には全球凍結はおこりませんでしたが、古生代末には生物種の90%以上が絶滅する大絶滅がおこりました。この原因については天体の衝突という考え方もありますが、氷河期の到来による氷河の発達→海水の減少→大陸棚の消失→植物プランクトンの死滅→酸素欠乏 といった原因が考えられています。
 
中生代には目立った氷河期はありませんが、新生代になって強い氷河期が何度も到来しています。過去200万年の第四紀は氷河期が普通で、氷河期と氷河期の間である間氷期のほうが短く、現在は約1万年前に終わった氷河期(ヴュルム氷期)と次に来る氷河期の間氷期と考えられています。ただし間氷期とは言わず後氷期といいます。

 
 
氷河期になると
 
氷河期の程度にもよりますが、氷河期になると海水が大陸氷河となるため、海退(海面の低下)がおこります。約1万2千年前には海面が最大130m低下しました。日本付近では朝鮮半島・樺太・シベリアが陸続きで、日本海が湖となっていました。
 
日本のような中緯度地方では、高山地帯で氷河が発達し、広葉樹林帯や針葉樹林帯の南限が南に下がってきます。また季節は 春−秋−冬 となり夏がほとんど無くなと考えてよいでしょう。
 
 
原因と考えられる諸説
 
科学的なものから非科学的なものまで過去に多くの氷河期の原因が考えられました。科学的なものを分類すると次の3つに分類できます。
 
 
地球に起因するもの
 
地球自体が氷河期を招いているという考え方です。ミランコビッチ説もここに含まれます。
 
地球の公転や自転についてのさまざまなことがらや、プレートテクトニクスやプルームテクトニクスなどで説明しようとするものもあります。また火山の噴火によるチリが成層圏に滞留して地表に届く日射量が減少し、異常気象が頻発することも何度かありました。
 
19世紀におこった天明の飢饉などは浅間山の噴火によるエアロゾルが原因であることがわかっていますし、1991年のピナツボ火山の噴火でも気温低下が観測されています。巨大な火山爆発が連続すれば氷河期の引き金になることも考えられます。
 
 
太陽に起因するもの
 
太陽は核融合反応によってエネルギーを生産・放出しているのですが、常に一定というわけではありません。黒点の増減などに周期性がありますし、さらに長い変動も観測されています。またマウンダー極小期(1640-1715年頃)やシュペーラー極小期(1410-1540年頃)といって黒点がほとんど現れない時期もありました。実際にこの時期には寒冷化がおこり「小氷期」とよばれています。
 
小氷期が氷河期の小規模なものかどうかは不明ですが、太陽が長い目で見ると変光星である可能性は捨て切れません。その変化は恒星としては微々たるものではあるけれど、地球に対する影響は大きいと考えられます。
 
 
太陽系外に起因するもの
 
太陽系は銀河の中を波打ちながら約2億年で公転しています。数千万年ごとに銀河面を通過しますが、そのとき巨大な分子雲の中を通過することがあります。このとき 太陽光線が分子雲によって遮られ日射量が低下する可能性があります。
 
 太陽系の近傍には分子雲があり、数万年前に通過し終わったといいます。
 
 
ミランコビッチ説
 
地球の氷河期を地球の軌道面の変化と歳差運動、地軸の傾斜角で説明しようとする説のことです。ユーゴスラビアのミランコビッチ(Milankovitch)によって1930年に唱えられました。現在では主流となっている考え方ですが、まだまだ反対論も多いようです。
 

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HOMENews BlogsScience | August 27, 2007 |  twitter Livedoor Buzzurl はてな Yahoo!ブックマーク人が登録
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