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April 9, 2010 space
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「アラビアのバフェット」世界の大富豪アルワリード王子

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イスラム教の聖地・メッカを擁する世界最大の産油国にして、中東随一の親米国家。一般市民が厳しい戒律の下で暮らす一方、2万人の王族は贅沢三昧。巨額オイルマネーの情報開示もされない秘密の国で、「サウジアラビアの富」を象徴する投資家がいる。米タイム誌が「アラビアのバフェット」と名づけたアルワリード王子の人物像。
 

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 日本ではあまり知られていないが、『フォーブス』誌の億万長者番付の10数年来の常連で、「アラビアのバフェット」と呼ばれる男がいる。アルワリード王子。07年、ビル・ゲイツと共同でフォーシーズンズ・ホテルを買収。米シティグループの個人筆頭株主としても有名だ。
 
その他、モトローラ、タイムワーナー、P&Gなど、彼の直接投資先は巨大企業だけでも150社、それらの子会社を含めれば5000社にもなるといわれる。その投資手腕は、ウォーレン・バフェット本人が「私が米国のアルワリードです」と王子宛の手紙に書いたほどだ。
 
総資産は、07年が210億ドル(当時のレートで約2兆4000億円)で世界13位。昨年秋のリーマン・ショック以降の世界金融危機による株価下落で77億ドル減らし、08年は22位に落ちたものの、いまも133億ドル(約1兆3000億円)の資産を持つ。
 
王子の正式な名前は、「HRHアルワリード・ビン・タラール・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド」。「サウド家のアブドルアジズの息子タラールの息子であるアルワリード殿下」という意味だ。HRHは「ヒズ・ロイヤル・ハイネス」の意味で、王位継承権を有する王子であることを示す称号だ。
 
サウジアラビアは1931年に建国された、絶対王制国家である。2大聖地メッカ、メディナを擁する厳格なイスラム国家だが、冷戦を通じて、米国や英国など西側諸国との関係を深めてきた。
 
王子たちの多くは米英の大学に留学するが、ビジネス界に進出する者はほとんどいない。高額の手当が支給され、黙っていても高級官僚や大臣の道が開けているからだ。にもかかわらず、アルワリード王子がビジネスの世界に身を投じたのは、祖母と母親がレバノン人で「正統」とみなされなかったことと、父親が第3代国王と対立した時期があり、官界での栄達の道が閉ざされたことが影響しているといわれる。
 
リヤドの士官学校を経て、米国の大学に留学。帰国後、父親から1万ドルを借りて事業を始めた。最初は失敗したが、父親にもらった豪邸を抵当に、シティバンクから30万ドル借り、再挑戦。王族のコネを使って公共事業を請け負い、わずか2年で売り上げ15億ドルの大企業に成長させた。続いて外国製品の販売代理店のスポンサー事業に転身。83年には個人資産総額が4億5000万ドルに達した。
 
こうして蓄えた富をバネに、王子は次に投資事業へとジャンプした。銀行株を取得し、合理化とコスト削減による再建に続々成功。資産はこの頃40億ドルを超え、サウジアラビア一の富豪になった。
 
王子の名を世界に知らしめたのは、1991年、シティバンクが経営危機に陥った際に、「白馬の騎士(ホワイトナイト)」として登場したことだ。6億ドルという巨額の資金を提供し、見返りにシティバンクの株5%を取得。その後、シティバンクの業績は急回復して株価は購入時の12倍になった。その後も米国の老舗百貨店サックス・フィフス・アベニュー、ユーロ・ディズニー、プラザ・ホテルなど、窮地に陥った優良銘柄に投資。97年にはやはり瀬戸際にあったアップル社に1億2000万ドルを投入。続いてニューズ・コーポレーション、ヒューレット・パッカード、アマゾン・ドットコムなど、有名企業に次々と投資した。
 
彼の投資手法は「ボトム・フィッシング(底引き網漁法)」と呼ばれる。経営ミスで苦境に陥っている一流企業の株を底値買いし、業績が回復するのを辛抱強く待つ手法で、ファンド用語でいう「バイ・アンド・ホールド」で、いわゆるハゲタカ・ファンドのやり方ではない。業績の回復を辛抱強く待つことができるのは、ファンドが彼個人のものであり、性急なリターンを求める外部の出資者がいないからである。企業経営者にとっても、王子のように「金は出すがあまり口を出さない」投資家は、実に歓迎すべき相手なのだ。
 
アルワリード王子率いるキングダム・ホールディング・グループは、リヤドにそびえる高さ303mのサウジアラビア一の超高層ビル、キングダム・タワーに本拠を構える。その最上階に執務室があり、世界に向けてM&Aの指令が発せられる。
 
だが、王子がその執務室にいることは少なく、普段は自家用機で世界中を飛び回っている。傘下のフォーシーズンズ・ホテルの専用個室で仕事をするか、週末は郊外のテントで野外生活を楽しんでいる。ホテルだろうが砂漠のテントだろうが、行くところには必ず衛星アンテナが立てられ、世界中につながる直通電話回線が用意され、M&Aなどの指示が出されているという。
 
ちなみに現在の自家用機は07年に購入したエアバス社の最新鋭旅客機A380で、購入価格は3億ドル。1億ドルの改装費をかけて2つのダイニングルームやプレイルーム、主寝室を備え、さらにミサイル防衛システムも装備。エアバス社では「空飛ぶ宮殿」と呼んでいる。所有する大型ヨットは全長83m、ヘリポート付きの大型船舶だ。
 
自宅は4万3000屬良瀉呂鵬案皀廖璽襪伐鯵哀廖璽襦45名収容のミニシアター、300以上の部屋、エレベータ12機、テレビ500台、電話機が400台。結婚と離婚を繰り返して現在独身。この豪邸に子供2人と3人で暮らしている。
 
 
 ジュリアーニNY市長に小切手を突き返される

 そんなアルワリード王子の転機となったのは、2001年の9・11同時多発テロである。メンバーのうち15人がサウジアラビア出身だったこともあり、米国世論は反アラブ、反サウジ一色。王子がニューヨークのジュリアーニ市長に手渡した義捐金1000万ドルの小切手は突き返されてしまった。以後、対欧米投資において前面に出ることはなくなった。それでも『フォーブス』誌の長者番付で05年には5位、06年には8位の座は守っている。
 
 そしてこの数年、王子は新たな動きを示し始めた。

 06年1月、アブダッラー国王は即位後初の外国訪問先に中国を選び、その3か月後には中国の最高首脳がサウジアラビアを訪問。胡錦濤主席とのトップ会談にはいずれもアルワリード王子が同席した。狙いは経済的な結びつきを強めることで、キングダム・ホールディングの事務所を北京に設置している。
 
中国との接近は、親米一辺倒の外交から脱するためにアブダッラー国王が打ち出した「ルック・イースト」政策の一環である。いまのところサウジアラビアにとって魅力的な「イースト」は中国やインドのようだ。インドネシアなどとも関係強化を図っている。一方、日本は06年の歴訪から外されてしまった。サウジアラビアにとって、日本の製造業や環境・医療技術は魅力的なはずだが、日本側が消極的なのは残念な限りだ。
 
王子の投資スタンスも変化している。暴落したサウジ国内株を買い支え、キングダム・ホールディングを上場。アフリカなどへの積極投資は、国王の意を受けたものと思われ、一投資家から「愛国者」へ変わろうとしているかのようだ。
 
もちろんサウジアラビアにとって、最大のパートナーが米国であることに変わりはない。オバマ大統領の登場で関係改善も進もうとしている。米国に強い人脈をもつアルワリード王子が、ここでも暗躍する可能性はある。今後の動向から目が離せない。
 
 
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