セナの思い出 モナコGP 1984年 モナコマイスターの称号を得る

　
　次々にポジションアップを果たし、32周目のホームストレート上で遂にトップのアラン・プロストを捕らえるが、レース競技長は悪天候のためにレース中止を決定。
　
無情にも１周前の順位が最終結果となったために、６戦目での初優勝は幻に終わった。のちの最大の好敵手プロストとの最初のバトルとなった。
　

　
　2006年マクラーレン首脳、1988年のモナコGPでのA.セナのクラッシュ原因に言及
　
　マクラーレンのチーフメカニックを務めたニール・トランドル氏は、イギリスのモータースポーツ専門誌『F１Racing』とのインタビューに応じ、モナコ通算６勝を誇る故アイルトン・セナ（当時マクラーレン・ホンダ）がトップ走行中にクラッシュした1988年のモナコGPを振り返り、「我々は今もなお、彼はリヤタイヤの一つがスローパンクチャーに見舞われていたのではないかと疑っている」との考えを示した。イギリスの『ITV』局は、N.トランドル氏のコメントを伝えた。
　
T.トランドル氏は『F１Racing』誌とのインタビューの中で、数々の好バトル、名シーンのある伝統のモナコGPの歴史を語る上で欠かすことのできない、1988年のA.セナのポルティエでのクラッシュに言及し、これまでのA.セナ自身によるドライビングミスを覆す、タイヤのスローパンクチャーが原因との考えを示し、「我々は今もなお、彼はリヤタイヤの一つがスローパンクチャーに見舞われていたのではないかと疑っている。マシンはあちこちで滑っていた。しかし彼は、タイヤ交換するどころか、そのままこらえたんだ」と当時を振り返った。
　
この年のマクラーレン・ホンダは、２度のワールドチャンピオンに輝くアラン・プロスト、次代のチャンピオン候補、ロータスから移籍した天才A.セナを擁し16戦15勝とシーズンを席巻するが、シーズン序盤の開催となったモナコGPでは、両雄が市街地コースを舞台にファステストの応酬となる異次元のバトルを展開。
　
トップを走行するA.セナは予選タイムに匹敵するタイムで周回を重ねるが、レース終盤、チーム側からスローダウンの指示が出されると、それまでの集中力が途切れたように67周目のポルティエでクラッシュ。A.セナは当時、「イン側のガードレールにフロントタイヤを当てたことでマシンがアウト側に滑り、マシンをコントロールできなかった」と述べ、原因は自らのドライビングミスとの考えを示していた。
　
T.トランドル氏は「アクシデントは彼を変えた。彼は一層深くのめり込むようになった」と述べ、後の３度のワールドチャンピオン、モナコ通算６勝を誇るA.セナにとっての一種のターニングポイントになるレースだったと振り返っている。
　
　
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