Ｆ１の歴史 タイトル争い激戦の歴史！過去から未来へ

　
　Ｆ１で３人のドライバーが最終戦までタイトルを争ったのは、最近では１９８６年のことだった。ナイジェル・マンセルがチャンピオンシップをリードしており、７ポイント差でアラン・プロストとネルソン・ピケがこれを追っていた。
　
　
当時はレースで優勝すると９ポイント、２位には６ポイントしか与えられず、マンセルがポイントを獲得できなかった場合にしかプロストに優勝の可能性はなかった。しかし、マンセルは最終戦の残り１９ラップのところでリタイヤし、プロストがタイトルを手にする結果となった。
　

　
この３年前のプロストは、これほど幸運ではなかった。１９８３年の最終戦、アラン・プロストが２ポイント差でチャンピオンシップをリードし、ネルソン・ピケとルネ・アルヌーがそれに続いていた。南アフリカで行われた最終戦で、プロストはレース中盤でターボエンジンのトラブルでリタイヤ、ネルソン・ピケが３位でフィニッシュして４ポイントを獲得し、タイトルを獲得した。
　
　
３人のドライバーによる最終戦でのタイトル争いは、Ｆ１の歴史においてこれまで８回あった。今紹介した最近の２回はチャンピオンシップリーダーが優勝することがなかったが、その他の年にはリーダーがタイトルを獲得したケースもある。１９５９年にはジャック・ブラバムが、最終戦でポイントをとれなかったにも関わらずタイトルを獲得した。このときは、彼のライバルであったスターリング・モスもポイントをとれずに終わっている。
　
　
　１９６４年にはグラハム・ヒルがトップに立って最終戦を迎えた。
　
　しかし彼は最終戦でポイントをとれず、ジョン・サーティースが６ポイントを獲得してタイトルを手にしている。１９６８年にもグラハム・ヒルがチャンピオンシップをリードしていた。このときは彼が最終戦に優勝し、最大のライバルであるジャッキー・スチュワートはポイントをとれなかった。
　
　
　１９７４年には、エマーソン・フィッティパルディがチャンピオンになった。
　
　ワトキンス・グレン（アメリカ）で行われた最終戦、彼とクレイ・レガッツォーニが５２ポイントで同点、ジョディー・シェクターが７ポイント差でそれを追っていた。結果はフィッティパルディが４位、レガッツォーニが４周遅れの１１位だった。

　
　１９８１年は、チャンピオンシップリーダーに運のなかった年だった。
　
　カルロス・ロイテマンがネルソン・ピケにわずか１ポイント、ジャック・ラフィーに６ポイント差でチャンピオンシップのトップに立っていた。Ｆ１の最終戦はラスベガスで行われ、ネルソン・ピケがタイトルを獲得して勝利の美酒を味わった。ピケはレースでは５位だったが、ロイテマンが８位でポイントを獲得できなかったのだ。
　

　
　しかし、１９８２年の最終戦でチャンピオンシップをリードしていたケケ・ロズベルグは落ち着いていた。ロズベルグはディディエ・ピローニに３ポイント、ジョン・ワトソンに９ポイントの差をつけていた。最終戦のラスベガスではワトソンが最高位でフィニッシュしたが、ロズベルグが５位でフィニッシュしてタイトルを手にしている。
　
　
　セナの思い出 1988年日本GP セナとプロスト 同じチームで１位対決
　
1988年日本GP 鈴鹿　マクラーレン・ホンダに所属する、セナとプロストが同じチームでタイトルを争った最後のレース！セナが悲願のタイトルを獲得した。セナはレース後に”神が見えた”と発言している。
　
　記憶に残る数々のレース”を戦ったセナ。
　
この年マクラーレン移籍を果たしたセナはプロストとのジョイントナンバー１体制下で、７勝を挙げ、初のタイトル獲得に王手をかけ鈴鹿決戦を迎えていた。プロストとの激しいポール争いの末にポールポジションを獲得したセナだったが、スタートは失敗。
　

　
　誰もがこの瞬間にタイトル決定は最終戦に持ち越しと思う中、セナは諦めなかった。
　
　路面が濡れた序盤に大きくポジションを回復すると28周目の１コーナーで遂にプロストを捕らえる。トップのセナは終盤再び降り出した雨にレース終了を訴えるが、認められないと、再びペーアップ。そしてトップでチェッカー。
　
　セナ悲願のタイトル獲得の瞬間だった。セナはレース後“神が見えた”と発言している。