東芝HD-DVD撤退？次世代DVDはBlu-rayで決まりか！？

　
　HD-DVDは、東芝が開発した新世代ＤＶＤの規格で、青色レーザーでディスク表面から０．６ミリの深さの層に記録。記録容量は最大３０ギガバイトで、５０ギガバイトのブルーレイに比べて少ないが、現在のＤＶＤに記録方法が似た構造のため、現行の製造装置が活用でき製造コストは安くできる長所があった。
　

　
　新世代ＤＶＤを巡っては、東芝が推進するＨＤと、ソニーや松下電器産業、日立製作所が推進するＢＤが激しい主導権争いを展開してきた。だが、新世代ＤＶＤの販売が本格化した昨年の年末商戦で、日本ではBlu-ray Disc方式が９０％超のシェアを占め、ＨＤを圧倒した。
　
　
　
　決め手となったのは、2009年のCESで市場動向を左右する映画ソフトの品ぞろえで、最も影響力の大きいと言われたワーナー・ブラザースが、今後のDVD販売に際して、Blu-ray Disc方式に一本化すると発表するなど映画界でBlu-ray Disc支持の動きが広がった。
　
　
　2009年2月15日には、小売り世界最大手ウォルマート・ストアーズもBlu-ray Disc方式支持を表明。ＨＤ陣営は巻き返しが困難な状態に追い込まれた。
　
　
　東芝では、今後「いろいろなシナリオを想定して検討している。来週中には決める」と語っているが、ワーナー・ブラザースとウォルマートの方針決定が、市場の最終決定と受け止めて事業の継続が難しいと判断をすると思われている。
　
　
　東芝が青森県で行っているＨＤ関連の機器生産を近く終了することになれが、今後は新型機の開発なども行われないが、HD-DVDの製造に関しては、現行のDVD設備を使えることなど設備負担も少なく、撤退費用は数百億円程度で済むため、東芝企業としての規模から考えると撤退に関しての影響範囲は限定的と思われる。
　
　
　東芝では、HD-DVDはHDD搭載のDVDプレーヤーが主流で、映画などコンテンツの流通においてHD-DVDが最適と考えてきたが、今後HD-DVDの製品化を見送ることで、HDD搭載DVDプレーヤーのみ製品化して、当面はBlu-ray Disc方式の採用は見送る予定。時期と市場の動向をみてBD陣営への参加も検討をすることになる。
　
　
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